少し前の話しになりますがファーストピアノでは製造から十年前後の電子ピアノの買取をしており、十年以上前のモデルで買取をするモデルは作りがしっかりとしたモデルで再販するに値するモデルのみを取り扱っています。
お仕事を終えた後の夜の時間をご希望だったので素早く設置を済ませてお届け先のマンションの部屋のドアから出るとマンションの入り口まで見送りますよと言われました。
そのモデルへのご相談を受けた際に色々と提案しましたが、そのモデルに拘っていた様なので理由を伺ったら、もの凄く昔欲しかったけど当時仕事が忙しくてピアノを弾く時間の余裕が無く諦めたと言う理由でした。
当時他のメーカーよりもデザインが凝っていたりして装備もワンランク上なモデルでしたが、それでも現行モデルやより新しいモデルよりも当時欲しかったモデルを選んだと言う事に思い入れを感じ、なんだかわかる様な気がしました。
私も最新の物にも興味がありますが、絶版になった拘りの強いモデルに魅力を感じる方で、思い起こすと自分の持っている物は当時欲しかったと言うよりもそのモデルに惹かれると云う理由が強い様な気がしますが、絶版モデルの程度の良い中古を探す傾向があります。
子供の頃から音楽が好きでオーディオが好きで今自分が所有している音響設備でも古いスピーカーとかを選んだり、絶版車のちょっと変わった車に乗ったり、カメラのレンズなんかもオールドレンズをミラーレス一眼カメラにつけたり古くて良い物や開発に拘りを感じる物を好む傾向があります。
フルサイズのセンサーを採用したミラーレスカメラに1950年代のライカのレンズをつけたり、1970年代のキャノンやロシア製のレンズをつけたりして写真を撮るのが好きなのですが、その趣味を教えてくれたのはハイブリッドピアノの設置で伺ったお客さんの本棚にカメラのレンズがずらっと並んでいて、話しかけたら勧められたレンズがその古いライカのレンズだった事から始まっています。
私はお客様の人生がピアノを弾くと云う趣味で豊になれば良いなと思っていますし、ピアノを弾くために手頃な中古の電子ピアノで気軽に始めてもらえれば良いなと思ってこの商売をしていますが、ピアノの設置の際のお客様との会話で私も人生が豊かになっていると思います。
電子ピアノにも名機と呼ばれる様なモデルがいくつか存在していて、そんなモデルも今後紹介できればと思います。