ヤマハの「クラビノーバ (Clavinova)」シリーズは、電子ピアノの中でも特に人気のあるシリーズで、アコースティックピアノに近い鍵盤タッチや音質、表現力を追求した製品として知られています。その歴史を振り返ると、ヤマハがどのようにして「クラビノーバ」を進化させてきたかが見えてきます。 クラビノーバの誕生によりアコースティックピアノを置けない住環境でもピアノの練習ができる様になり誰もがピアノを楽しめる時代が始まりました。
電子ピアノの代名詞と言っても過言でないクラビノーバの歴史を簡単にまとめました。電子ピアノ選びの参考に役立て頂ければと思います。
クラビノーバの略歴
1. クラビノーバの誕生:1983年
クラビノーバは、1983年にヤマハが初めて発表した電子ピアノシリーズです。当時の電子ピアノは「電子オルガン」と呼ばれるものが多く、ピアノの音色やタッチに近い電子ピアノはほとんどありませんでした。しかし、ヤマハはアコースティックピアノの感触を忠実に再現するために、鍵盤の重さやレスポンス、音質に重点を置いた電子ピアノとしてクラビノーバを開発。これが世界初の「デジタルピアノ」として注目されました。
2. 技術革新と音源の進化:1990年代
クラビノーバは1990年代に入ると、ヤマハ独自の「AWM(Advanced Wave Memory)」音源技術を採用し、よりリアルなピアノ音を再現することが可能になりました。また、グランドピアノのような打鍵感を再現するために、鍵盤の構造も進化。これにより、プロフェッショナルな演奏家から初心者まで、多くの人に愛用される製品となりました。
3. グレードハンマー鍵盤の導入:2000年代
2000年代には「グレードハンマー鍵盤 (GH)」が導入され、さらにリアルな鍵盤タッチ感が実現されました。これは、アコースティックピアノの「鍵盤の重さ」をデジタルピアノにも再現する技術です。これにより、クラビノーバは、アコースティックピアノの練習や代替として選ばれる機会が増え、ますます本格的なピアノの感覚を楽しめるようになりました。
4. 新たな音源技術とGP Response:2010年代
2010年代に入り、「RGE音源(Real Grand Expression)」が採用され、さらにクラビノーバの音質と表現力が進化しました。また、鍵盤の反応速度やダイナミクスの向上を図る「GP Response Damper Pedal」も開発され、アコースティックピアノに近い演奏感を追求しました。この頃には、グランドピアノの特徴をさらに強化した「CLPシリーズ」と、グランドピアノのタッチや音を忠実に再現することを目指した「CVPシリーズ」など、モデルも多様化していきます。
5. 最新技術の融合と未来:2020年代
2020年代に入ると、クラビノーバにはヤマハの最新のピアノ音源「CFXサンプリング」や、弦やハンマーの振動を忠実に再現する「VRM(Virtual Resonance Modeling)」などが搭載され、表現力がさらに高まっています。これにより、アコースティックピアノのような細かなニュアンスも表現可能になりました。また、Bluetoothやスマートデバイスとの接続機能も追加され、練習や音楽制作のための便利な機能が加わっています。
クラビノーバは、技術の進化とともに成長を遂げ、ヤマハの最先端技術を集約した電子ピアノとして、世界中で多くのピアニストに愛用されています。初心者からプロフェッショナルまでが満足できるようなクオリティの高さと豊富な機能が、クラビノーバの魅力です。
ファーストピアノ観点のまとめ
ヤマハはアコースティックピアノや様々な楽器を作っている世界でも稀な楽器総合メーカーであり、楽器以外でも楽器と深く関係するオーディオやオートバイやレクサスの内装等ハイテクでハイレベルな商品を数々世に送り出すメーカーです。
そんなヤマハの技術を惜しみなく注ぎ込んだクラビノーバは電子ピアノの代名詞というのにふさわしい楽器と言えます。
2000年代に技術が確立し、その頃鍵盤の部品が未だに使われていたりしてパーツの供給も安定していますので、中古電子ピアノを売る観点からも安心感があるブランドです。