日本に最初にやってきたピアノとは?江戸時代にシーボルトが持ち込んだ幻のピアノの話
シーボルトが江戸時代に日本に持ち込んだピアノとは?
現代では自宅用の電子ピアノから、ステージ用のグランドピアノまでさまざまなピアノが身近に存在していますが、そもそも日本で最初に「ピアノ」という楽器が登場したのはいつなのでしょうか?
その答えは——江戸時代後期、1823年(文政6年)にオランダ商館付き医師として来日したフィリップ・フランツ・フォン・シーボルトが関係しています。
シーボルトが持ち込んだ「日本初のピアノ」
シーボルトは医学・植物学の専門家として知られていますが、西洋文化を日本に紹介した人物でもあります。彼が日本滞在中、長崎の出島に持ち込んだのが、日本に現存する最古のピアノです。
このピアノは、いわゆる現代の電子ピアノやアップライトピアノとは異なり、**小型のテーブル型ピアノ(スクエアピアノ)**とされており、木製のシンプルな鍵盤を持ち、コンパクトながらも音が鳴る本格的な楽器でした。
ピアノと日本の出会いがもたらしたもの
シーボルトが持ち込んだピアノは、当時の日本にとって極めて珍しいもので、楽器そのものよりも**「音の出る箱」として驚きを持って受け入れられたと伝わります。これがのちの日本におけるピアノ文化の礎**となったともいわれています。
このピアノは現在、山口県萩市の熊谷美術館に所蔵されており、展示されることもあります。ピアノが日本に根付き、やがてヤマハやカワイといった国産メーカーの誕生へとつながっていった歴史の原点ともいえる逸品です。
電子ピアノの普及と、原点としてのピアノ文化
現在、日本の住宅事情に合わせて電子ピアノの人気が高まっています。音量調節やヘッドホン使用が可能で、アップライトピアノやグランドピアノと比べて手軽に導入できるのが魅力です。しかし、その電子ピアノのルーツには、江戸時代にシーボルトが日本へ持ち込んだピアノがあるという歴史を知ると、ピアノに対する見方も変わるかもしれません。
まとめ|ピアノの歴史を知ることは、電子ピアノ選びにもつながる
現代の電子ピアノは、音源技術の進化により、アコースティックピアノに限りなく近いタッチや音色が楽しめるようになっています。しかし、どのモデルを選ぶか悩む方も多いはずです。
そんなときは、**「ピアノの原点」や「文化の背景」**を知ることで、より深い視点で電子ピアノを選ぶことができます。シーボルトが日本に初めてピアノを紹介したように、あなたの家庭にも素敵な音楽文化を根づかせてみてはいかがでしょうか?